リカンベントクラス

 ここ何年かはこの時期になると秋のもてぎ(もてぎ7時間エンデューロ)を意識し始めるのだけれども、例年はオープンクラスに属していてMTBクロスバイク、小径車に乗る人たちと一緒に走っていたリカンベントが、今年からリカンベントクラスとして独立しての150分エンデューロ(例年は7時間か4時間エンデューロ)になった。

 最初は、おぉ・・・どうなんだ、これは?と思ったが、客観的かつ冷静に考えれば妥当な判断かなと。元々海外のレースではリカンベントロードバイクはガチンコで一緒に走ったりはしないし、リカンベントの中でもフルフェアリング、テイルフェアリングのみ、フェアリングなしとカテゴリ分けされているくらいなので、リカンベントがクラスとして独立するのは国内のリカンベントの世界が1つ熟成されたと見てもいいんじゃなかろうか。

 実際に走ってみればわかるが、ロードバイクなどのアップライト自転車とリカンベントではスピードのリズムが違う。ライダーの力量が同じなら、リカンベントは登りと加速が遅く、下りと平地が速い。ロードバイクなどはその逆だ。限界に近い状態で走っているときに混走するのは多少なりとも危険を伴う。

 気になるのは、参加人数がどれだけ集まるのかなぁというところ。近年リカンベントカテゴリの出場者は目に見えて減ってきている。一時のブームが過ぎたのだろうと思っていたが、クラスとして独立を果たしたものの参加者がろくにいなくて来年廃止、とかになったらそんなのはつまらない。

 リカンベント、今はまだ欠点や使いにくい点もある(TUNAMIでもそれは感じているのです)けど、設計や技術、市場の成熟によって大部分は取り除けると思っていて、リカンベント本来の力が発揮できるようになれば単なる交通手段としてもかなりイケてる存在になると思うのです。例えばリカンベント専用のパーツがもっと充実すれば、今感じている欠点や使いにくさは相当に改善できる。今はまだ、リカンベントは本来持てる力を全然発揮していない状態で、その状態で将来の発展の途が閉ざされてしまうのはもったいないなと(誕生から100年以上経ってますけどね```)。

 主催者も、きっと参加人数を考慮しての150分エンデューロへの鞍替えなのでしょう。リカンベントユーザーは全国に散らばってそうなので、チームが組みづらいし、ソロで4時間、7時間となると相当な猛者でない限り参加してこないだろうから、150分エンデューロになって参加者が増えることを期待したいところ。

 もてぎ7時間エンデューロの主催者はリカンベントにも理解のある人達のようです。ロードバイクなどと混走すると危険というだけなら、こんなマイノリティーカテゴリ、参加不可にすればよいだけのこと(そういうイベントは実際多い)。リカンベントは国内に有力メーカーが存在しないし、市場も小さいので後ろ盾がないし、儲けとかトラブルのリスクとか考えたら参加不可にしたほうが話が早いワケで、それをきちんとカテゴリを残してクラス独立させてくれたというのは見識があると言えますかな。