ウォーキングはLSD 前編

 LSDレーニングとしてウォーキングを始めてから9ヶ月ほどが経過した。それでLSDレーニングが自転車に乗って走る場合にどんな好影響をおよぼすのか私なりに多少分かってきた。

 確実に変わったと思えるのは筋持久力。これまで自分が「これくらいクランクを回したら数分経たず足が回らなくなってくる」と思っていた領域の運動強度をずっと続けられるようになる。それは運動が楽に出来るようになる、という意味ではない。こんだけクランクを回してたら苦しい、苦しいけど不思議と脚は止まらず回る、そういう感覚だ。
 LSDレーニングについて本やら何やらで読んでいて、なんとなく「持久力が上がるのかなぁ〜」位のイメージは持っていたが、実際に体験してみないとこの感覚は分からないように思う。筋持久力が高いというのはこういう状態のことなのかと。本当に別人になったのか、と思うほどに変わる。

 具体例を1つ示すと、ちょくちょく走っているルートで長い直線の終わりにゆるい登り勾配があるところがある。直線を出来る限りのスピードを維持して走ってくるとその登り勾配でもう脚はパンパン、いつもは34km/h出ていれば良い方、それ以下のスピードに落ちる時もザラだった。しかし、LSDレーニングを始めて半年ほど経った後のその日は違った。
 「ああ、いつもの登りだ、苦しい、苦しいなりに頑張ろう」と思って登り始め、勾配の頂点付近になってふとスピードメーターに目を落とすと、なんと、36km/h出ているではないか!?

 ・・・こんな感じだ。これはシチュエーションを変えると、長い距離をずっと走ってきた後にでも爆発的なスプリントができる、ということでもある。実際私も練習ルートの終わりで、おりゃっ!ともがいてみたら、「ええっ?ゴール目前でこのスピード?」というようなスピードを記録して驚いたことがある。今までのワタシでは長い距離を走ってきたあとのスプリントなど、フレッシュな時のそれからしたら見るも無残なものだった。でもそれを今までは「距離を走って疲れているのだからしょうがない」としてきた。だがそれは違ったのだ。LSDレーニングを積むと本当にフレッシュなときと変わらぬスプリントができるようになる。

 ヨーロッパのプロ選手は、山あり谷ありの道程を200kmくらい走ってきた後、ゴール前スプリントで70km/hくらい出すわけだが、その秘密の一端を垣間見た気がした。きっと彼らは猛烈に発達した毛細血管を持っているのだ。そして筋肉に蓄積される疲労物質を走りながら代謝できるのだろう。
そういう力を引き出すのにLSDレーニングは最高に役に立つ。

 そしてウォーキング。ウォーキングこそ人類最強の体脂肪燃焼運動だ。と思う。・・・が、続きは後編で。