44T

 私の乗っているリカンベントTSUNAMIロードバイクkoga-miyataは共にフロントアウターのギア歯数が44Tである。
昔は普通に、アウター52Tのロードバイクに乗っていた時もあった。・・・が、走るスピードは今よりがぜん遅かった。

 ある時、ふと思い立ってアウターの52Tを取っ払ってみた。残ったのはインナーの42Tだけ。リアスプロケットはそのままだ。
この日から、私のペダリングは激変する。今までの52Tとは異次元と思えるケイデンスで回さなければならない。最初は苦労した。
・・・が、慣れてくると90rpmはウォーミングアップの回転数になった。リアのスプロケットも52Tの時は全然使わなかった領域まで使え、無駄が少なくなった。

 変速時の脚に対するショックが小さくなり、微妙な向かい風や傾斜に対応するのが楽になった。52Tの時はたまに痛くなっていた膝も、ほとんど違和感が出ることすらなくなった。サイクルコンピュータが示す平均時速もぐんと速い速度を記録するようになった。以来、52Tのギアを使ったことは1度もない。

 その後、多少は脚力がアップしたせいかフロントアウターは44Tとし現在に至っている。この歯数で困るのは下り坂を時速60kmオーバーで巡航しなければならない時くらいだ。しかし今の私がそんな状況に陥ることはない。

 今になって思う。52Tって初心者が踏むギアか?・・・と。52Tはヨーロッパのプロも踏んでいる歯数である。この52Tを踏んで使いこなせたらヨーロッパのプロと同じ走りができると言うことだ。負荷トレーニングとしてでかいギアを踏むのならともかく、何の考えもなしに買った自転車に付いてきたからとそのまま52Tを使っている人は自分が本来持つ能力を自転車に伝えきれていない可能性が高いんじゃないだろうか?

 私にとっての44Tは、今の自分の能力をもっともよく発揮できる歯数だと思っている。もし今の自分の走りをフロント52Tで実現できたらヨーロッパプロと同じ走りができている筈である。・・・がそんな脚力はないので44Tとなっている。ヨーロッパプロと8T差なら私には上出来だ。

 ちなみに、フロントアウターで44Tと言うのはなかなかその辺で売っていない。今TSUNAMIに付いているものはオーダーメードチェーンリングのお店で作ってもらった。その前まではインナー用の44Tを裏返して使っていたが、変速性能などはひどいものだった。オーダーメードチェーンリングがなかったら、今も変速性能にはさぞ不満を抱えていただろう。
 実は、同じオーダーメードのフロントアウター46Tというのも既に用意してある。・・・が、それを使う時は来るのか、今後の頑張り次第だな。