リカンベントTSUNAMI、エースの座

以下は先日、TSUNAMIでそれなりにまとまった距離を走ったときのPowertapのデータをグラフ化したもの。この日はほとんど風もなく、外乱要因の少ない良いデータが取れた。気温はおよそ25度。データは同じコースの往復分ある。
A.(往路)

B.(復路)

この内、ほぼ平坦路区間かつ、速度と出力が比較的安定しているA.の26分36秒〜29分38秒までを拡大する。すると・・・

・・・なんと!平均出力234Wで平均時速39.63kmも出ている!!

例によって„qo—ÍŒvŽZのサイトで計算*1してみると、CdAは0.228平方メートルだ。

復路のデータがあるので、全く同じ区間を正反対に走ったB.の8分02秒〜11分18秒も拡大してみる。

こちらは平均出力231Wで平均時速38.93km出ており、CdAは0.237平方メートル。
2回の平均をとるとCdAは0.233平方メートル。ひとまずTSUNAMIのCdA値はおおよそこの値に近いところにあると判明。

このCdA値は他のリカンベントや、ベロモービルなどと比較すれば特に驚くような数値ではない。しかし、私のもう1台の愛車koga-miyata(ロードバイク)のCdA値はひいき目に見ても0.31平方メートル。その差は歴然であって、ドロップハンドルのままフォームを改良する程度のことではとても追いつけるものではない。仮にそのkoga-miyataでほぼ同じ条件下を時速39kmで走ろうとすると63Wの追加出力が必要となる。もはやバイクの形を変えるくらいのことをしないとダメだ。

事前の予想では、TSUNAMIの空力性能はここまで良いとは考えていなかった。前出の出力計算のサイトによるとCdA0.233平方メートルはほぼTTバイクに匹敵する。

実は以前のTSUNAMIはタイムで比較するとkoga-miyataに対して速いどころか、少し遅いくらいで「リカンベントって本当に速いのか?」と疑っていたくらいだったのだが、セッティングやパーツのグレードがkoga-miyataと同等の仕上がりとなり、自分自身も多少なりともTSUNAMIを乗りこなせるようになってきた昨今、エースの座はすっかりTSUNAMIのものになっていた。その理由の一端がはっきり解き明かされた気分だ。

しかもTSUNAMIはこれだけの空力を持ちながらも、ブレーキもシフトレバーも常に手元にあって、ヘッドレストが付いていれば前を向いて広い視界をキープしたまま走るのも容易。一方koga-miyataは下ハン握って前を見続けるのがつらいくらいのフォームでやっとこさCdA0.31平方メートル。ブレーキブラケットを握ってやや上半身を起こしたポジションではCdAは0.4平方メートル程度になってしまう。

ツーリングを考えるとドロップハンドルはハンドルの上を握って走ることの方が多いわけで、CdA0.400平方メートル対0.233平方メートルで比較すると例え時速20kmののんびりペースで計算してみても前者は68W、後者は51Wで17Wもの差がつく。単に速く走るだけでなく、遠くまで走ることを考えみてもこの燃費差は大きい。近年遠出するときにkoga-miyataの出番が減っているのも無理はないと、我ながら納得。

これで加速と登りの弱点が克服されたなら・・・・。


今回の走行に用いた機材は以下の通り。

TSUNAMI:上掲写真参照
ヘルメット:OGKのGaia
ウェア:パールイズミのレーサージャージ&レーサーパンツ
Fタイヤ:IRC RoadLiteEX
Rタイヤ:MICHELIN PRO3RACE 23C


余談だが、今回の走行で私にある程度の時間維持できそうな出力はおよそ230Wがいいところと判明。まだまだ精進の余地があるようで・・・。

*1:タイヤの転がり抵抗は0.006とした