koga-miyataと私の二輪二脚

koga-miyata、生粋のレーシングバイク。

モデル名など全然知らない。なぜならこいつとの出会いはただの偶然だったからだ。
出会ったのは2003年。全然違う用事のため歩いていたとある街の路上の、とある自転車店の前でのこと。
新車ではない、中古である。1996年式。7年落ちだったが、フルクロモリフレームにシマノ600アルテグラフルコンポ。1996年頃のメーカーの売り方として、600アルテグラはトップグレードか悪くてもセカンドグレードのフレームにしか付いてこないようなコンポだった。今ほどロードバイクが高価ではなかった時代とは言え、発売された当時の完成車はかなり値段も張ったはずだ。それが値札を書き間違えたのではないかと言う値段で売られていた。実際お店の人にこの値段は本当かと確認したくらいだ。肝心のフレームサイズも自分に合う範囲内。

・・・で、購入を即決。以下の写真は手元に来て間もない頃。

クランク、ペダル、ステム、ハンドル、シートピラー、サドルは既に交換されているが他はそのまま。

こいつの良さは店で自転車を受け取り乗って帰る時にはもうわかった。まるで1枚の板にでも跨っているかのようにガッチリしていて、誰かが後からサドルを押してくれているのかと思うほどに良く進む。
・・・が、こいつに他のレース用ロードバイクにない特別な何かがある訳ではないと思う。
単にロードレースで使用することを前提として設計され、必要なコストをかけて製作された・・・それだけだ。
速く走ろうと思ってロードバイクを選ぶのなら、大事なのはライダーがスピードを出すためのフォームを取れるフレームジオメトリになっているかどうか、これに尽きる。あとは必要な箇所に必要な強度、剛性が確保されていればそれで十分。それ以外の違いなど、プロレベルに到達したような乗り手が乗らない限りは無意味と思って良い。

見た目同じようなダイヤモンド型フレームでも、レーシング用とツーリング用では実はその設計は全然違う。ツーリング用に設計されたフレームでスピードを追い求めても限度があるし、レーシング用フレームで長く楽チンにツーリングを楽しもうと思ってもこれまた困難が多いのだ。

私はこの自転車をレースに出るために買った訳でも、実際にこれでレースに出た訳でもない。設計者の意図するところからすれば何とも罰当たりな限りである。
しかし私はこのkoga-miyataを通して速く走れると言うことはそれだけで十分に楽しく価値があることだと言うことを知った。移動手段としての自転車の利便性も遙かに上がった。こと自分の住む街中に関する限り、自動車よりも明らかに速く目的地に着けるようになったのはこれに乗り始めてからである。

そんな訳でこいつとの付き合いは現在に至るまで続いている。
自分の自転車に関する知識や技術は、この自転車と共に進歩してきた。











現在(2009年5月10日)の姿

一時はこれ1台でどこへでもどこまでも出掛けていたが、TSUNAMIの登場により長距離で運用される機会はめっきり減った。前掲の写真に出先で撮影されたものが途中からなくなっているのはそのためだ。
スピードの面でも直線平坦路では既にTSUNAMIにかなり水を開けられていて、普通に街中を走った場合の平均速度でも徐々に差がつきつつあるのが現状だ。
・・・もうロードバイクの役割は終わった、ご苦労さん・・・・と言いたいところだが、実は全然そうは思っていない。

自転車を速く走らせるためのテクノロジーの内、自分の自転車にすぐに適用できるものが多く集まっているのは今なおロードバイクの世界だ。TSUNAMIで速く走るためにもロードバイクを速く走らせるための知識や技術は必要だ。
立った姿勢で乗る自転車に長く乗ってきた癖もあると思うが、実運用上ロードバイクの方が便利だなーと思う場面も少なくない。そうでなければこのkoga-miyataも既に手放しているだろう。

そんな訳で、私とこいつの付き合いは今後も長く続きそうだ。